INTERVIEW:川久保玲, 田中啓一〈コムデギャルソン・オム物語〉1993

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Rei Kawakubo, Keiichi Tanaka インタビュー〈COMME des GARCONS HOMME〉


DANSEN(男子専科)1993年2月号に掲載された、川久保玲氏と、当時のオムデザイナー田中啓一氏のインタビュー。



コム・デ・ギャルソン・オム物語

頑として、自分を曲げない。
愚直なまでに、本質を見極め尽くす。
着ることのファンダメンタルな歓びを追求してやまない探索者=コム・デ・ギャルソン・オムの世界。
真のユニークさ、柔らかなオリジナリティは、
時代のノイズと容姿を超えて人を魅するという希有な一例がここにある。
ーー優雅は独りを恐れない。


川久保玲インタビュー

基本は基本である、の思いを込めてギャルソンのメンズをつくった
何かをやり終えたすぐその場から、今までしていたことに飽きてしまうタイプです。頭の中には、常に次のこと、さらに次のこと、がある。
どうしても自分が今、作りたいと思ったことの背景には、’70年代半ばからの、メンズ服のデザイナーズブームがあります。その頃、男性がおしゃれに目覚めた、というのは良かったのですが、とても間違ったものが、目についたのです。
自分で感じたことをだいじにする以外、ないのですね。カンで仕事をしていると、そのカンじたいも強くなっていくような気がします。
服のデザインで重要なのは、エリの形やスカートの丈ではありません。どういう空気か、どういう気持ちか、というところから始まります。つまり、その空気が全体のコンセプト、切り口なのです。
しっかりと自分が表現できる人ということで、ある年齢以上の方たちに着てもらうことが多い。でも、若い人でも何かを持っている人には似合いますね。オムの服は年齢の対象を決めずに作っていますが、着る方の年齢も本当に幅が広い。

HOMME。
それは一枚のシャツから始まった

1978年設立以来、独自のポリシーを貫き通すコム・デ・ギャルソン・オム。
過去のカタログ写真を見ても、オムの本質が変わっていないことに気づくはず。
そこにはギャルソン・イズムともいえるこだわりが脈々と伝わっているに他ならない。











HOMMEデザイナーインタビュー
田中啓一

自然な形でギャルソンのグッドテイストを呼吸する
最初は野原の真ん中に放り出されたようでしたね。前の会社では、デザイナーはデザイン室で、純粋にデザイン画を描くことそのものが仕事でしたが、ここは違う。
川久保さんに言われたことは、唯一『グッド・テイストの服を作ってほしい』ということでした。
社長は細かいデザインに注文をつけたりなどは、いっさいしない。要所要所でこちらから相談に行きますが、それ以外でむこうから何か言ってくることは全くありません。
もう一つ、『妥協しないほうがいいのよ』とは、言われています。すべての面ですごい人で、本当に尊敬していますが、特に勉強になるのが『信念をつらぬく姿勢』ですね。
男の服は、デザインがシンプルなだけに素材が重要です。今、生地の組織を理論的に考えられるのは工学部出身だから、ということもある。すべてはつながっています。
DANSEN

H様、ありがとうございます!

デザイナー:川久保玲(Rei Kawakubo)
デザイナー:田中啓一(Keiichi Tanaka)
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